レンズテクノロジー

フォーサーズレンズの高画質を支える設計や製造の技術を紹介します。

●先進のレンズ設計
フォーサーズシステムのレンズ設計では、単なる光学結像の追求だけではなく、イメージセンサーと画像処理をも含めた総合的な画像システムとして全体の最適化を狙った開発が常に行なわれています。それらは、フォーサーズシステムの高精細な画質を確保するためには欠かせないことです。そして、最終的には製造性能劣化を最小限に抑える技術として、すべてはお客様の手元で良好な品質の確保へと結実しています。 また、光学結像性能や製造誤差を考慮した高度なシミュレーション評価を行なうことで、設計段階で確実にこれら品質目標が達成できることも保証しています。 これらの卓越した最先端の設計技術は、高画質と高機動性を確保しつつ、仕様や撮影領域の拡大を目指したフォーサーズシステムのラインアップの充実に大きく活かされています。

●先進のコーティング技術
フォーサーズシステムでは、ゴースト・フレアーの抑制とカラーバランスを両立させるために、コーティングにも細心の注意が払われています。また、最先端のコーティング技術により、光の入射角にとらわれることなく、かつ広範囲の波長域で低反射を実現。すべてのレンズ面でコーティングの最適化設計がなされています。また、デジタル特有のイメージセンサーとレンズ面との往復反射によるゴースト・フレアーにも配慮され、逆光撮影でも自然の光や空気感を品良く伝え、しかも良好なコントラストとヌケの良い描写力が得られるようになっています。

●完全電子マウント
フォーサーズマウントは、ボディとレンズ間の情報通信を完全電子化しています。すべての交換レンズ、テレコンバーターやエクステンションチューブにCPUを搭載し、レンズの種類、焦点距離やF値をはじめとした多種の情報通信をカメラボディと双方向で行っています。まさに最適な画像を得るために必要な情報を瞬時に正確に伝達する、デジタル時代に相応しいインテリジェンスなレンズシステムです。
Page Top

●高性能を支える製造技術

(1)光学ガラス:超精密研磨加工技術
高性能レンズを作りあげるために、光学ガラスは想像を絶するような高精度・高品質のものが要求されます。例えば、ZUIKO DIGITAL ED 300mm F2.8 に使用されている前玉レンズは、長時間の研磨工程を経て、ミクロンレベルの超精密加工で作られています。その「加工精度」は、「東京ドームの広さに髪の毛1本の凹凸」も許さないほどのレベルです。フォーサーズシステムは、コンピュータを駆使した最先端の設計技術と、職人芸ともいえる光学ガラスの高精度研磨加工技術との融合によって実現されたのです。

(2)非球面レンズ:カメラ用レンズでは最大級(レンズ径φ50mm超)の両面非球面凹レンズの量産化に成功。
ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0 では、超広角レンズ特有のディストーションを両面非球面凹レンズによってほぼ完璧に補正することに成功しています。大口径凹レンズを非球面化する場合、その形状特性として、・ワレやすい、・面精度の確保が非常に困難、という2つの問題点がありました。そこで以下の技術を独自に確立することによって量産化体制を実現いたしました。

1)専用成形機の開発
大口径レンズの成形には、金型とガラスの加熱〜徐冷に多くの時間を要します。冷却収縮によるワレを防止するために、強力な加熱・徐冷機能を備えた独自の成形機を製作し、600℃以上にもなる高温度の金型を±1℃という高精度で制御しています。

2)専用測定機を開発
大口径、大接触角度に対応する、世界最高クラスの測定精度を備えた両面非球面レンズ用の偏心・面精度評価機を独自開発しました。

3)職人技の超高精度金型製造技術
高精度非球面レンズの生産では、金型の加工精度が生命線です。
ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0に採用している両面非球面凹レンズは、従来の4倍以上の面積を持つため、金型の精度を確保することが非常に困難でした。この部分については、熟練職人による金型研磨の「磨き技」によって業界最高レベルの金型に仕上げ、金型精度の問題を解決しています。

(3)特殊低分散レンズ
青から赤に至る波長域で、屈折率の変化が一般的な光学ガラスに比べてとても少ないレンズのことです。色にじみやコントラスト低下の原因となる色収差(光の分散が原因で生じる収差/色によって焦点位置がずれる現象)を抑えて描写性能を高めることができます。(呼称:シグマ=SLDガラス パナソニック/オリンパス=EDレンズ)また、SLDガラスやEDレンズの光学特性を大幅に向上させ、より蛍石に近い色分散特性を有したレンズをELDガラス、若しくはスーパーEDレンズと呼んでいます。EDレンズやスーパーEDレンズ(もしくはSLDガラスやELDガラス)を適切に採用することで、色収差の最適な補正が可能となります。フォーサーズシステムでは、望遠系のレンズや超広角系レンズを中心にこれら特殊低分散レンズを幅広く採用し、シャープでコントラストの高い描写性能を実現しています。

Page Top

●機動性の高さも大きな魅力

(1)光学式手ブレ補正ジャイロ (MEGA O.I.S.)
一般に、手ブレは写真撮影における最大の問題だと言われています。この問題を解消したのが光学式手ブレ補正(MEGA O.I.S.)です。「ライカDバリオ・エルマリートレンズ」は、レンズ内に光学式手ブレ補正ジャイロと、そのジャイロセンサーの制御レベルを高めるビーナスエンジンLSIを搭載し、高精度な手ブレ補正を実現しています。光学式手ブレ補正は、ジャイロセンサーがカメラの揺れを検出すると同時に、補正レンズの働きにより、光の軸そのものを動かしてレンズ内でブレをおさえます。ビーナスエンジンの高速処理により、毎秒4000回の高精度で揺れそのものを検出するため、よりきめ細かな手ブレ補正が可能になりました。したがって、マクロ撮影時や低照度下での撮影においても、三脚を使わない撮影を可能とし、撮影の幅を大きく広げます。

(2)超音波駆動モーター(HSM)
シグマ独自のHSM(Hyper Sonic Motor:ハイパーソニックモーター)は、起動・停止の応答性が高く、駆動音を少なくするためのシステムです。HSM搭載機種は、高速で静粛性に優れたオートフォーカス撮影が可能となり、また、オートフォーカス合焦後、フォーカスリングを回すだけでピント微調整ができるフルタイムマニュアルフォーカスも可能です。
Page Top

●様々なレンズ設計の知識

(1)フローティング機構
撮影距離に連動して、レンズ系の一部を複数の群に分割し、それぞれ異なる動きをさせてピント合わせをする機構です。
これにより、あらゆる撮影距離で諸収差を良好に補正する機能が備わり、最短撮影距離のさらなる短縮化を実現しています。

(2)インナーフォーカス & リアフォーカス
レンズ系の中間群を移動させてピント合わせを行う方式をインナーフォーカス、最後群を移動させる方式をリアフォーカスといいます。フォーサーズシステムでは、最短撮影距離の短縮化や、遠方から最短撮影距離までの全域で高画質化を実現するために、インナーフォーカス、あるいはリアフォーカス方式にフローティング機構を融合させるなど、それぞれのレンズに応じて最適なフォーカシング方式を採用しています。

(3)円形絞り
写真におけるボケには、ピントの合った主要被写体を引き立てるという役割があります。このボケを素直で柔和な描写にするためには、円形絞り機構を採用することが効果的です。円形絞りを採用しているレンズは、開放から2段絞り程度まで絞り形状がほぼ円形になるように設計されており、開放近くで美しいボケ味を出してくれます。
Page Top